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野球肘について
2016.08.24
おはようございます。院長の佐藤です。リオデジャネイロオリンピック、史上最多の41個のメダルを獲得!沢山の感動をありがとう!!
その影に隠れた感のある夏の全国高校野球甲子園大会は栃木県代表の作新学院の優勝で幕を閉じました。敗れはしましたが、南北海道代表の北海高校も見事な戦いぶりでしたが、エースの大西健斗くん(3年)は3回戦の日南学園戦で既に右ひじに痛みを抱え、その後の準々決勝、準決勝、決勝も4回途中まで投げ抜きました。とても理にかなった良い投球フォームでしたが、甲子園大会特有の過密な日程によって肘に負担が蓄積された事は否定できません。
そこで今回はよく耳にする「野球肘」について述べていきたいと思います。
上の図のように、投球動作の主に後期コッキング期~加速期に肘の関節が屈曲位で過度の外反を強制されることにより、内側には引っ張りストレス、外側には圧迫ストレス、後方には衝突や引っ張りストレスが繰り返し加わることによっておこる肘の障害です。特に、肘の骨端線が閉鎖する前の少年期では、骨、軟骨、関節が未発達なことと成長期特有の投球動作の関係で野球肘が起こります。(肘の内側、外側の位置関係は下記の図を参照、外反ストレスとは下記図の内側の緊張に相当)
2.2歳、4.2歳の投動作をみてもわかるようにこの頃はいわゆるべた足で、足を一歩前へ踏み出して投げることが出来ないため、いわゆる手投げとなり、肘に負担がかかります。
診断に関しては、肘のどの位置が痛むかが損傷箇所の判定には重要であり、かつ日頃の練習の量、痛みの度合いが重要となります。言葉での説明ですと逆に理解しずらいかと思いますのでこちらも図↓を参照して下さい。
ここまで述べてきましたが、野球を指導する指導者、そして常日頃から家庭でお子さまを見守る保護者の方々に野球肘についての知識を少しでも身に付けて頂き、早期に発見することが最大の治療かとおもわれます。最後になりますが、私が約20年ほど前に社会人の野球のキャンプに帯同するにあたり、野球の障害予防を学ぼうと購入した本に掲載されていた「正しく投球するための十戒」を紹介します。これは、元メジャーリーグ投手でヒューストン大学のピッチングコーチだったレイノー・ノーブル氏の考案したものでとてもよく出来ているので是非、参考にしていただけたら幸いです。
レイノー・ノーブルの正しく投球するための十戒
1.体が暖まるまで投げてはいけません。そのためには、ストレッチングや柔軟体操あるいは軽いジョギングが必要です。
2.正しい腕の動きが大切です。投げる瞬間に力を入れようとすると故障します。
3.ようするに、投球中のバランスが大切なのです。ボールがグラブから離れ、(右投手の場合)左足が下に降り出すまでは、右足はプレートをけってはいけません。
4.軸足(右投手の場合は右足)のけりが終わるまでは、おしりとかたを開かないようにしめておくことです。このことにより、プレートに対するおしりのひねりの力をもっと大きく生み出し、その結果、ボールにスピードがつき、なおかつ、ひじやかたのケガも少なくなります。
5.とにかく、両足とおしりを使いましょう。軸足をけり、おしりをすばやくふる(回転させる)ことによりスピードを増し、ピッチングの動きを向上させることができます。
6.ボールを投げた後のフォロースルーは大切です。正しいフォロースルーでは、右のかたが低くなります。すなわち、ストライクゾーンの低い位置へ右のかたを投げ込むようにすることです。
7.自分の腕は大切にしましょう。投球しないとき、寒いときには腕のすべてをカバーしておきましょう。十分なウォーミングアップなしに投球してはいけません。
8.投球するには、体のコンディションが大切です。基本的には毎日のランニングとストレッチング、および軽めのウエイトトレーニングを組み合わせることです。そして、これは自分自身にあったプログラムをつくることが大切です。上半身のトレーニングは軽めで、たくさん繰り返しましょう。下半身のトレーニングは、中位の重さで、適切な回数を組みましょう。腹筋運動も忘れないように。
9.さらに、投球するには精神のコンディションも大切です。まず、よいバッターに対する投球をイメージすることです。自分自身、ゲームの中で、ピンチの場面に立ったことを考え、そのピンチの場面からきりぬけるためにいい投球をすることをイメージしてみましょう。肉体的にも精神的にも、その投球をイメージで繰り返すごとに投球はよくなってきます。そうすると、実際に大きな試合やピンチになったとき、どうすべきかがわかってきます。
10.投手自身も自分の体の使い方やピッチングフォームを研究することです。よくあることですが、有名投手のフォームをまねようとすることは、けっして若い投手にとっていいことではありません。
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