ブログ
ここ2週間で一気に増えた腰痛患者さん、その原因は冷房!
2017.07.18
院長の佐藤です。4/25の更新を最後にお休み(サボって)しておりましたが、心を新たに、患者様の健康への手助けになればと思い投稿します。
タイトルにも書いた通り、ここ数週間連日30℃を越える外気温、昨日17日は35℃を超える猛暑日も記録しており、冷房は欠かせないものとなっています。しかしながら長時間、冷房の効いた部屋にとじこもって生活をしたり、あるいは職場の冷房の温度設定が低すぎて冷やし過ぎたり、あるいは冷房の風が身体に直接当たってしまい、腰痛を発症して当院に来院する方が多くなりました。
そこで冷房がなぜ腰痛を引き起こすのかについて説明します。
腰痛については現代医学的な観点でとらえる腰痛と、東洋医学的な観点でとらえる腰痛とに大別されます。冷房が引き起こす腰痛は東洋医学から見るもので説明ができます。その前に現代医学から診る腰痛についても少し触れたいと思います。
原因別に大きく3つに分類され
1.整形外科的な原因からくるもの
~これはわかりやすく言いますと、腰の部分の背骨(腰椎)に原因があってヘルニア、老化や使いすぎで疲労骨折するもの、狭窄症といって老化や生まれつきの原因で神経が圧迫されるもの、腰部を捻挫するもの、これはかなり有名な「ぎっくり腰」という別名もあります。他にも腰椎の炎症、腫瘍など背骨が原因の腰痛の事を指します。
2.内臓に原因がある腰痛
~これは東洋医学にも通ずるものですが、簡単にいいますと、内臓に炎症が起きたり、腫瘍や結石ができることで腰痛になります。
3.ストレスによる腰痛(心因性腰痛)
~これは、過去にも投稿したので詳しい説明はしませんが、腰痛全体の85%は現代医学で原因が解明されていないといわれていて、ストレスによるものが85%を占める。これって驚くべき数字ですよね。逆に言うと我々のような鍼灸整骨院の方が腰痛を治す可能性が高いということにも繋がります。
それでは東洋医学的な観点から腰痛を説明しますと、原因は4つあると考えます。
寒湿(かんしつ)、湿熱(しつねつ)、血瘀(けつお)、腎虚(じんきょ)の4種類です。この4つを説明する前に、東洋医学の基本的な外邪(がいじゃ)の考え方について少し説明します。
(ところでエアコン(冷房)の話が出てこないと思っているでしょうが・・・もう少しお付き合いください)
自然界には六気(りっき)と呼ばれる気候の変化があります。
「風が吹く、寒い、暑い、湿度が高い、乾燥している、とても暑い」の6つです。
それぞれ「風、寒、暑、湿、燥、火(熱)」と呼ばれています。
人体に悪影響を与えることを「外邪」といって、それが人体に悪影響を与えるときに風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、火邪(熱邪)(かじゃ、(ねつじゃ))と呼び方が変わります。この六つの外邪をまとめて六淫(りくいん)と呼びます。
腰痛の原因はこの六淫が関わります。
原因1.「寒湿」
~これは寒さと湿度の高い場所に住んだり、水に濡れて冷えたりすることで「寒邪」と「湿邪」が身体に入り込みます。わかりやすくいうと、寒さや湿度が身体に悪い影響を与えて、腰痛になるということです。寒湿の腰痛の症状としては、重だるい痛みで腰が冷えている、あしのむくみ、手やお腹の冷えに伴う場合が多い、雨の日や寒い日に症状が悪くなるのも特徴としてあります。
冷房によって体を冷やす、汗をかき、そのままの状態で空調の効いた部屋に入る・・・・今の時期に多い腰痛の正体、それは冷房による「寒湿」の腰痛のようです。
寒湿による腰痛の改善方法としては、腰を温めると症状が改善します。夏の暑い時期ですが、冷房の効いた部屋で長時間働く方は、腰に小さなカイロをピンポイントで当ててみる、あるいは腹巻をする、厚手の靴下を履く、夜は湯船に浸かるのもとてもオススメです。せっかくなのでその他の原因も説明しますと、
原因2.「湿熱」
~これは、湿邪と熱邪が関係するように思われますが熱邪は関係ありません。湿熱という概念は主に「食べ過ぎ」が原因で、体内に水分と熱がこもってしまう状態のことで大食漢、体格が良い、髪が薄い、ニキビが多い、汗を沢山かく、おならが多い、豪快そうに見えるが実は悩みも抱え込むといった特徴が湿熱体質の人には多いとされています。このような方は血や気の循環が悪くて、それが腰痛の原因となります。湿度の高い時期になると症状が悪化します。湿熱の腰痛の症状としては、熱を伴った痛みがして、腰だけでなく身体全体が重だるくなります。あとは、雨が降っても悪くなりますし、甘いものや辛いものを食べると悪くなったりもします。
湿熱の腰痛の改善方法としては、寒湿とは逆に温めると具合が悪くなるから冷やすと楽になる場合が多いです。保冷剤を手ぬぐい等でくるんで痛い腰の下に入れて仰向けに寝て、20分を目安に冷やしてあげるといいです。
原因3.「血瘀」
~これは、血液の循環が悪くなる事で、血行が悪くて滞った悪い血(瘀血(おけつ))が患部に溜まる事、つまりは悪い血が腰に溜まると腰痛になります。血瘀の腰痛の症状としては、刺すような鋭い痛みがあって、いつも同じ場所が痛む、特に夜に痛い、押されると痛い、痛みがしつこい、といった特徴があります。
血瘀の腰痛の改善方法としては、食べ過ぎを控えて野菜や海藻を取る。きちんと睡眠を取る。働き過ぎを避けて心穏やかな生活を心かげる、などです。
血瘀というのは万病の元といわれています。腰痛くらいで済んでいるうちにきちんと改善する必要があります。
原因4.「腎虚」
~最後に腎虚による腰痛ですが、字の如く、腎(じん)が虚(きょ)するという意味です。虚するというのはわかりやすく言いますと弱るという事です。現代医学でいう腎臓は血液をろ過して尿を作ったり、体内のバランスを保つ大切な臓器ですが、いわゆる血液をキレイにする所です。東洋医学でいう「腎」も大切な臓器として重要に扱われていて「腎は水液(すいえき)を主(つかさど)る」と言って、排泄や代謝等の体内の水分バランスを取ると言われていてそこは現代医学と同じです。
特に東洋医学では、腎には「先天の精(せんてんのせい)」という、両親から引き継いだエネルギー源が蓄えられていると考えます。これが減ると老化して、尽きると死んでしまうと考えられています。それを格納する腎は大切なものとして扱われます。
腎虚の腰痛の症状としては、耳鳴りを伴う事が多く、動くと痛み、休むと楽になる場合が多いです。症状によって、冷えを伴ったり、手足がほてったりします。
腎虚の腰痛の改善方法としては、栄養を取って、ゆっくり休むといいです。冷えている場合は温めて楽になる事が多いです。
とっても長々となってしまいましたが、(御免なさい、書き出すと止まらなくなる性分でして)このように4つの腰痛を説明しましたが、実の所、これらの原因が2つ.3つと重なった腰痛も多いのが実際、日々の診療をしていて感じます。
腰痛の種類によって治療法は違いますが、どの腰痛にも指圧、マッサージ、鍼、きゅうはとても有効です。
外邪の原因の場合は、外邪の侵入を防ぐ衛気(えき)の働きを、指圧、マッサージ、鍼、きゅうで高める事ができます。
湿熱等の体質も改善が出来るんです。血瘀の場合も指圧、マッサージ、鍼、きゅうで血流の良い体質への改善と、滞っている部分の改善が出来ます。
腎虚の場合は、指圧、マッサージ、鍼、きゅうの治療で弱った「腎」の気を補って、腰を温める力を取り戻させることが可能です。
当院では院内の冷房の調節にも細心のの注意を払い、治療をして参ります。
まだまだ続く猛暑の夏、身体をしっかりメンテナンスして乗り切りましょう‼
スタッフ一同、心よりお待ちしております。
腰痛でお困り、お悩みの方は武蔵小山駅から近くの「太陽鍼灸整骨院」へお越しください。
新着ブログ
- 2020-09-06
- 当院での取り組みです。・・・
- 2020-08-09
- お盆休みのお知らせ
- 2020-05-27
- 緊急事態宣言解除に伴う・・・
- 2020-05-11
- 緊急事態宣言延長に伴う・・・