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花粉症を東洋医学的に捉えてみよう‼
2019.02.15
おはようございます。今週、ブログ当番の佐藤です。
先ずは今春の花粉飛散傾向は、飛散開始は2月中旬で3月は各地でピーク(東京は多く飛ぶ期間が長い)、量は例年より多い。東京は3月上旬~4月上旬にスギ、4月上旬~中旬にヒノキが多く飛散するそうです。
今回は、①花粉アレルギーに関係する臓腑、②何故、花粉アレルギーは多くなったのか?、③鼻疾患治療のための経穴について書いていこうと思います。
①花粉アレルギーに関係する臓腑
~花粉アレルギーの主な病態は、呼吸系の鼻から水が多く出ることである。つまり水分代謝障害なので、臓腑学からみると、肺、脾、腎それに三焦が関与する。本症の発症の初期には肺の異常のみのことが多いが、病気が長引くと肺、脾、腎に及ぶようになる。
1.肺~一般に空気に接する人体部分(皮膚、肺、目)は、同時に花粉などの異物が接触する部分でもある。一方、消化管も毎日いろいろな種類の食べ物が異物として入ってくるので、免疫系は現代医学的にみても皮膚、肺や消化管は非常に発達している。花粉アレルギーは肺経の一部分である鼻の周囲で繰り広げられるドラマである。当然、外界と体内の境界線での防御を司る肺の関与が考えられる。つまり肺は表を護る衛気とのかかわりが深い。また「肺は蓄痰の臓器」なので、その機能が減退すると、痰が溜まりやすい場所である。水様の鼻水や透明の痰が多くなるのはこのためである。
2.脾~「脾は生痰の臓器」なので、機能不全に陥ると痰湿を発生しやすい臓器である。冷飲、甘い食べ物、高カロリー食などは脾の働きを損ねる原因になる。生痰の臓器である脾の障害は「蓄痰の臓器」としての肺の症状をよけい憎悪することになる。脾は冷えたり、冷たい食べ物などで(脾陽虚)、下痢や軟便が出やすくなるので温かい食べ物を摂取するように心掛けるとよい。
3.腎~腎は当然、水の代謝に関係する。そのほかに腎の機能が旺盛であると五臓を温め、外寒に抵抗して内寒は生じにくくなる。この腎の温める働き(腎陽)が弱るとちょっとした外気の寒さなどでも身体は冷えやすくなる。冷たいものの飲食やクーラーなどによる冷たい環境は腎陽を損なう。腎陽が障害されると温煦(身体を温める)作用も障害されて津液の流れも不順になり肺に湿が溜まりやすくなる。また過労や睡眠不足が続くと腎陰に陥りやすくなり、その結果として燥症を呈するようにもなる。頻度は少ないが、花粉アレルギーの患者の中には鼻の乾燥や熱感を認める例があるのは、このような機序によるとおもわれます。
4.三焦~外側の皮膚の護り(衛気)が弱いと外敵の侵入を許すことになる。つまり外因を受け入れることになる。これを「衛外不固」という。衛気は下焦で生じ、腎陽の温める作用によって上昇する。また衛気は中焦において水穀の栄養の補充を受け、脾胃による気の運化作用によって肺に送られる。その後、衛気は上焦(肺や心臓)で大気(酸素)を十分呼吸する。大気に満たされた衛気は肺気の推動作用によって脈中を循り栄気となり、また脈外を循行するものは全身くまなく行き渡り、衛気となって皮膚の護りにつくことになる。これらの循環がスムーズに行われるためには三焦の働きが正常であり、昇降運動が秩序立っていることが不可欠である。三焦の働きも、各臓器がスムーズに機能するためには大事な役割を演じることになる。
以上の臓腑が正常に機能していると、元気な普通の人はいくらスギ花粉が飛ぶ時期になっても病気にはならない。患者さまは潜在的に、または顕在的に脾気虚と腎気虚(陽虚)であることが多い。つまり「本虚表実」になっているのです。
難しい言葉が多く出てきましたが、言っている事はとてもシンプルです。②、③の説明は次回以降にします。
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