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脾を労わる
2019.06.19
こんにちは松本です。日本は四季を通じて湿気が多いですよね。通年的に湿邪を伴なう疾患が非常に多い。実際に梅雨のこの時期、特に実感される人が多いかと思いますが、湿気が多いと蒸発による放熱能力が落ちる。その為に一定量の放熱を確保するためには、大量の発汗が必要になります。大量の発汗は容易に気陰両虚を起こす。いわゆる夏バテの一部だと考えて頂ければ良いです。
また多湿性の土地柄や、多飲、生食が多いことなどからも脾が弱い人が相当数カウントされます。
今回は「脾」の不調や改善についてお話していきたいです。
東洋医学の脾は解剖学的な脾臓を指すのではなく消化器系統の生理機能の総括です。
脾は胃と一体となって働き、飲食物の消化や吸収を司る。食べ物から得た栄養物を血中に送り、血とともに脈中を巡る。その栄養物には営気が貯蔵されて全身に活力を与えます。
< 脾の不調 >
●腹部の膨満感
脾が食べ物を消化できないと、お腹が溜まり張って痛みます。ゲップが出て、おならが多くなります。
●全身倦怠感
身体が重いのは営気が全身を養っていないこと、気が流れないことで津液が溜まって水湿(水分の停滞)と痰液(水毒)になることです。その上に陽気が足りないと、消化できないものがそのまま便に出てしまう。鍼灸をすると翌日目覚めが良いと言われますが、小便で余った水分を体外に排出するためです。
●涎が出やすい
涎は脾の液である。脾が弱いと寝る時に涎が出やすい。赤ちゃんは皆、脾が弱い為に涎が出るので、あまり沢山食べさせない方が良い。少し空腹の方が脾の為になります。同じく年を重ねてくると、涎が出やすくなります。脾が弱っているから食も細くなります。
< 脾経の改善 >
●活発に動く
脾は食物を運搬するので、動く陽気を必要とします。食後に少し散歩するだけでお腹が張らなくなります。
●時間を決めて食べる
規則正しく時間と量を決めて食事を摂ることが、脾を補うことになります。脾という漢字は左に肉づき、右に身(しもべ)から成立しています。つまり脾は全身を管理するしもべです。だからこそ、脾という家臣に無茶をさせれば身体に反乱が起きます。
●女性は足を冷やさない
胃経も脾経も下肢とお腹を通ります。足を冷やすとお腹も冷え消化不良になります。特に女性は子宮の中が寒くなって特有の痛みや症状を起こしやすいです。脾経にある三陰交という穴は足の三陰経が会するところで女性の生殖器と直結しています。冷やしてお灸をすえるより最初から冷やさない様にしましょう。
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